運送業豆知識コラム

2011年12月 9日 金曜日

運行管理者の労働時間管理とTPP

運行管理者にとって労働時間の管理が最も頭の痛い問題の1つである。

厚労省の「過労死」は年間約900件弱であるが、その内運輸関係は18.8%(約20%)を占め、トップである。
次に多い技能職、管理職、専門職へと続く事務職などに対しては約4倍となっている。その原因としては長時間労働である。

政府統計で全産業の男性労働時間を比べると

全労働者 男性平均 2196時間/年
バス           2448時間/年
タクシー         2412時間/年
トラック         2556時間/年

これは単に時間の平均である。

ア 長距離トラック運転手は夕方から夜にかけ走行する深夜型走行であり日中に後部座席で仮眠するのが日課の人が多い。

イ コンビニ・配送は24時間ジャスト・イン・タイムでの配送。

ウ 宅配便なども同じくお客の指定時間に配送。

1日10数時間の作業、半月に1日程度の休日、平均睡眠時間は5時間位が常識である。
旅客はどうか。

エ 都市タクシーは24時間の隔日勤務が主流、売上げが下がっているため所定労働時間をはるかに超える労働が珍しくない。

オ バスも不定期な勤務ローテーションが多く、睡眠不足を招いている。


三六協定は、年360時間、月45時間などという数値はあくまで目安であって、ほとんど守られていない。
さらに軽貨物などの分野では形式上は自営業が主でこうした労働時間を無視した状態である。
改善基準の「告示」では下のようになる。
  タクシー(日勤) タクシー(隔日) トラック等 バス等
拘束時間 一箇月 299時間 一箇月 262時間 一箇月 293時間 4週平均で1週間
当たり65時間
  1日 原則13時間
    最大16時間
2暦日 21時間 1日 原則13時間
   最大16時間
(15時間超えは
1週2回以内)
1日 原則13時間
   最大16時間
(15時間超えは
1週2回以内)
休息期間 継続 8時間以上 継続 20時間以上 継続 8時間以上 継続 8時間以上
運転時間     2日平均で1日
当たり9時間
2週平均で1週間
当たり44時間
2日平均で1日
当たり9時間
2週平均で1週間
当たり40時間
連続運転時間     4時間以内(運転
の中断には、1回
連続10分以上、
かつ、合計30分
以上の運転離脱
が必要)
4時間以内(運転
の中断には、1回
連続10分以上、
かつ、合計30分
以上の運転離脱
が必要)


平成2年にアメリカの外圧により日本の非関税障壁を除くものとして物流二法をスタートに「規制緩和」が行われてきた。
政府・規制緩和推進論者は、競争促進によるサービスの改善、コスト削減、消費者メリットの向上等を目標に掲げ、これまでに設けてきた規制を緩和・撤廃し、その「成果」を自画自賛している。

だが現実には、企業間競争が激しくなり、売上げ下落、収益悪化、人件費の切り下げなど確実に運転手に厳しい労働を余儀なくさせ公務員との給与格差は1.5倍にも達している。

TPPに参加すれば、この格差はさらに広がるものと考えられる。
この解決手法について私なりの考えは次回にコメントしてみたいと思います。



投稿者 武部総合行政事務所

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