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運送業豆知識コラム

2011年12月13日 火曜日

TPPで運送業は生き残れるかⅡ

私は元来TPP反対論者ではなく、むしろ賛成論者である。

しかし一旦TPPに加入した場合、原発事故と同じで「想定外でした」という言葉では決して逃れられるものでありません。
政治家だけではなく、現在の大人達共通の責任です。

今回は米国が求めるTPPの背景を考えてみたいと思います。
欧米のみならずもはや中国、東アジア全体も来年は大不況に陥るおそれがあります。そこで資本主義のリーダーである米国が最後の「賭け」として覇権を握る為TPPを企てたものであります。

オバマ大統領の背景には次のような企業群が見られます。

まず、米国の運送業界。
・ DHL社。世界最大の国際輸送物流会社であり社員30万、約5.5兆円の売上、7万6200台のトラック、420機の航空機を持ち、日本最大の日通の8~9倍位の規模がある企業です。
・ CSI社(サービス業連合)で速達便から保険・情報技術・銀行業務まで世界100ヶ国で営業しています。
・ EAA社 アメリカ速達便協会で(DP・DHL・フェデックス・TNS・UPSなどの共同出資社)
・ UPS社 売上3.5兆円位 社員40万人余、世界220の国や地域で1日610万人、1500万以上の貨物を運送しています。

これらの運送業界が日本に上陸すれば規模的には日本の企業の数倍から数十倍であり、まともに戦える相手ではないと思われます。上記企業はあくまで一例です。しかし、もっと大きな影響を受けるのは荷主です。
つまり、あらゆる産業界が大きなダメージを受けることとなります。

医薬業界。
・ アボット・ラボラトリーズ社 世界130ヶ国で活動するHIV血液検査社
・ バイオテクノロジー産業協会 世界最大のバイオテクノロジー団体
・ ダウ・ケミカル 世界最大化学メーカー、モンサルト社(世界シェア90%の遺伝子組換の最大メーカー)、他多数の医薬品メーカー

金融業界。
・ エースグループ、シティーグループ、プリンシパルファイナンシャルグループ、VISA社を初め、巨大金融証券グループ

その他、食品業界、衣料品、ファッション業界、IT業界、石油エネルギー、建設、各種製造業界等アメリカを代表する数十数百社の世界的な企業が日本への進出を狙い、オバマを支援しています。
つまり、TPPでの交渉はこれらすべての企業を交渉相手となることです。

カナダは5年前にTPPに入り、カナダの70%の事業用農家はアメリカ資本になりました。その結果、所得は増えず1.3倍になった輸出利益はアメリカに握られています。メキシコのトウモロコシ農家は壊滅状態となり、ヒスパニックのアメリカへの移住が増大しています。オーストラリアは「医薬品給付制度」廃止の危惧に狭まれています。アメリカの医薬品は1/3~1/10の価格で入ってきます。その反面、国民皆保険制度はなくなるかもしれません。

これらの企業に少しでも阻止しようと行政指導や条例をつくるとISD条項(外国企業が自由な活動を阻害したものとして現地政府を訴える)により、国際裁定委員会(アメリカ支配の世界銀行の下にあり、正当性でなく損害額を秘密会議で算定し「損害算定」する)で巨額の損害金を払わされることになります。
事実上、日本に裁判権はありません。

また、ISDを擁護する意見にISD条項を誇張しているという意見もあります。
例えばメキシコのA社が産廃の一時預りをしていて、その中で地下水を汚染し癌患者が急増しました。この現状を理解しながら有機廃棄物の埋立工事の許可がメキシコ政府に申請されました。申請時にアメリカのメタルクラッド社が、A社を買収し許可前にすでに埋立てを完了していました。結果、政府は有害産廃物埋立を不許可としました。メタルクラッド社はISDを起こし勝訴。1600万ドル(13億円位)を払わせました。
アメリカ流の考えではA社が悪く、それを容認していた村と政府の責任でメタルクラッド社は買収しただけで悪くなく利益を失ったと考えています。
しかし、日本の常識ではまず住民に多くの患者を出している。それを償うのはA社、村、政府。そしてその事実を知っていて買収したメタルクラッド社であり、企業には利益よりまず社会的責任(CSR)を問うものであり、ISDなんて2の次、3の次ではないでしょうか。第一、CSRを言いだしたのは欧米であるはずです。ISDは企業の目先の利益だけを問っているように思えてなりません。
私の考えは誤っているのだろうか。

このままだとおそらく「日本の上場企業の過半数がアメリカ資本となる」と言っても決して大げさではないと思われます。
また、2015年から米国では「IFRS」(国際会計基準)を、日本にも2015年または16年に導入されます。これは今までの「貸借対照表」「損益計算書」という考えはなくなり、純資産の増減を問うことになります。つまりすべてが欧米流の経済思考で変動してゆくことになります。(くわしくは別の機会で説明します)

ISD条項を知らなかった野田総理、本当に大丈夫?
これらのことを考えても開国しなければならないだろうか?

それは真に「グローバル社会」になってしまったからです。(鎖国はできません。)アメリカが怖いから、中国のほうがいいのかと言うと中国の方がもっと怖い国ですが。それだけに日本国民全体が覚悟を決め、TPPに挑むべきなのではないでしょうか。

相互に持つべき知識と知恵を出し合い、この難局に挑むべきかと思います。

投稿者 武部総合行政事務所 | 記事URL

2011年12月 9日 金曜日

運行管理者の労働時間管理とTPP

運行管理者にとって労働時間の管理が最も頭の痛い問題の1つである。

厚労省の「過労死」は年間約900件弱であるが、その内運輸関係は18.8%(約20%)を占め、トップである。
次に多い技能職、管理職、専門職へと続く事務職などに対しては約4倍となっている。その原因としては長時間労働である。

政府統計で全産業の男性労働時間を比べると

全労働者 男性平均 2196時間/年
バス           2448時間/年
タクシー         2412時間/年
トラック         2556時間/年

これは単に時間の平均である。

ア 長距離トラック運転手は夕方から夜にかけ走行する深夜型走行であり日中に後部座席で仮眠するのが日課の人が多い。

イ コンビニ・配送は24時間ジャスト・イン・タイムでの配送。

ウ 宅配便なども同じくお客の指定時間に配送。

1日10数時間の作業、半月に1日程度の休日、平均睡眠時間は5時間位が常識である。
旅客はどうか。

エ 都市タクシーは24時間の隔日勤務が主流、売上げが下がっているため所定労働時間をはるかに超える労働が珍しくない。

オ バスも不定期な勤務ローテーションが多く、睡眠不足を招いている。


三六協定は、年360時間、月45時間などという数値はあくまで目安であって、ほとんど守られていない。
さらに軽貨物などの分野では形式上は自営業が主でこうした労働時間を無視した状態である。
改善基準の「告示」では下のようになる。
  タクシー(日勤) タクシー(隔日) トラック等 バス等
拘束時間 一箇月 299時間 一箇月 262時間 一箇月 293時間 4週平均で1週間
当たり65時間
  1日 原則13時間
    最大16時間
2暦日 21時間 1日 原則13時間
   最大16時間
(15時間超えは
1週2回以内)
1日 原則13時間
   最大16時間
(15時間超えは
1週2回以内)
休息期間 継続 8時間以上 継続 20時間以上 継続 8時間以上 継続 8時間以上
運転時間     2日平均で1日
当たり9時間
2週平均で1週間
当たり44時間
2日平均で1日
当たり9時間
2週平均で1週間
当たり40時間
連続運転時間     4時間以内(運転
の中断には、1回
連続10分以上、
かつ、合計30分
以上の運転離脱
が必要)
4時間以内(運転
の中断には、1回
連続10分以上、
かつ、合計30分
以上の運転離脱
が必要)


平成2年にアメリカの外圧により日本の非関税障壁を除くものとして物流二法をスタートに「規制緩和」が行われてきた。
政府・規制緩和推進論者は、競争促進によるサービスの改善、コスト削減、消費者メリットの向上等を目標に掲げ、これまでに設けてきた規制を緩和・撤廃し、その「成果」を自画自賛している。

だが現実には、企業間競争が激しくなり、売上げ下落、収益悪化、人件費の切り下げなど確実に運転手に厳しい労働を余儀なくさせ公務員との給与格差は1.5倍にも達している。

TPPに参加すれば、この格差はさらに広がるものと考えられる。
この解決手法について私なりの考えは次回にコメントしてみたいと思います。

投稿者 武部総合行政事務所 | 記事URL

2011年11月22日 火曜日

TPPでの生き残り

前回に引き続き、TPPについて書きたいと思います。

TPPで運送業は、今後も生き残れるでしょうか?
アメリカの運送業界も1980年に大巾な規制緩和がありました。
その結果、大手50社のうち約半数が倒産し、もしくは吸収合併が行われ、姿を消していったのです。
そして運賃は下落が続き、倒産率は5倍に跳ね上がりました。
しかし、それでも新規参入業者は増加し、10年で2倍になりました。

参加条件の緩和、最低賃金の大幅な切り下げ
アメリカの最低賃金はいくらかご存知ですか?
1時間5.15ドル(約400円)、レストランのウェイトレスのようなチップをもらう仕事は、1時間2.13ドル(約170円)位です。
地域や職業にも差はありますが、豊かな国アメリカでも大変な貧富の差を生んでいます。
この差が実はアメリカの豊かな経済をささえているのかもしれません。
ただ、アメリカはこれにより、3PL(企業の流通機能全般を一括して請け負うサービスで物流改革となる)が進み、効率の良い物流が行われていると言われています。

日本でもアルプス物流、日立物流、ハマキョウレックスなどはこれを導入し成長しています。
今、あなたの会社も少なくとも賃金カットをするのではない、物流の改革にみなで知恵を出し合わせてみませんか。

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2011年11月16日 水曜日

TPPの運送業界に与える影響について

このブログは第二の開国といわれるTPPについて運送業界は本当に大丈夫なのか?その疑問を皆で考えることにより、少しでも役に立てばと思い書き始めました。
TPPにより運送業界に何が起こるのでしょうか?

その一つは車検です。

皆さんアメリカには車検制度がない事はご存じですか?正確には州により異なりますが、約3分の2の州には全くありません。在ってもごく簡単なものです。

例えばテキサス州では...

1 車を修理工場に持ち込む
2 保険証書を渡す
3 10分くらいの検査を受ける
4 新しい車検ステッカーをフロントガラスに貼る
5 会計1,700円位のお金を払う

これで完了です。
しかし、一方で車検はなくてもEPA(環境保護庁)によるスモッグチェックはあります。2年に1回、トラックで10~20ドル(800~1600円位)を払います。もし、この制度が導入されれば日本の自動車修理工場は成り立ちません。世界最高水準の安全安心を守る我が国の制度はなくなります。車はどんな古くても良いのです。動きさえすればあとは全て「自己責任」です。これがアメリカ流の考え方です。

じゃあ、事故した場合どうするの? 

保険に入ることです。

アメリカでは自動車保険に加入しなければ原則車の運転はできません。日本のように強制保険と任意保険がありますが、強制保険は保障価格が低くとても足りません。
これらの保険に加入すると年間最低でも30~40万円、高ければ120万円以上かかるものもあります。無事故や年齢等による割引もありますが、逆にドラッカーであっても高額保険料を払えば加入できる事です。

こういった制度がTPPにより持ち込まれる1例です。保険会社の資金力も日米では大きな差がありません。日本のほとんどの保険会社は吸収されることになるかもしれません。一方でこれらを阻止しようとするとISD条項(投資家対国家の紛争解決)によって国は日本に参入しようとする外国会社に不利益を被ったとして、数十億、数百億単位の損害賠償を求められることになります。

私は元来、自由貿易論を支持しますが開国によって大きな発展を得た明治維新と全く同じ環境ではありません。明治維新も不平等条約の改正まで実に56年余りの年月を得て初めて全権を回復しています。我々の子、孫が米、中をはじめ、外国の支配の下で希望のない暗い社会になってしまわないよう、皆で考えたいと思います。

投稿者 武部総合行政事務所 | 記事URL

2011年11月10日 木曜日

運送業豆知識コラム

運送業の豆知識コラムを始めます。宜しくお願い致します。

投稿者 武部総合行政事務所 | 記事URL

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